打ち上げ花火
昨日、僕の住んでいる街で花火大会が開かれた。毎年、8月の第1週の土曜日に開催されるそれは街の恒例行事となっている。
座りの悪い角度が急な河川敷の土手に腰を下ろす。特にシートの類を持ち合わせていないので、今日の為に整備して刈り取られた草がズボンの下からチクチクと肌をさしてくる。
眼下にはいくらかの出店が魅力的な光を放ち、そこには絶えず人が集まっていた。
その光をかき消すように周囲が明るい光に照らされそれと同時に大きな音がお腹に響く。
「空に広がる大きな光」
僕は花火を眺める。
何故か花火を見ると「青春」という青臭い言葉が頭をよぎる。
煌びやかに輝きサッと消えていく…一度消えた花火はもう二度と輝くことは難しい。
その一連の所作が若い恋に似ているのだろうか。
米津玄師の歌 (打上花火、抜粋)
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パッと光って咲いた 花火を見ていた
きっとまだ 終わらない夏が
曖昧な心を 解かして繋いだ
この夜が 続いて欲しかった
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季節の夏はいつかは終わる。
けれどの心の中の夏はきっとまだ終わらない…
自分が終わりだと思わなければ、ずっと終わらない…
昨日、鮮やかに輝き皆を笑顔にしていたあの花火はもう見れない。
いちにち、いちにちと夏は過ぎていく…
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